逆転検事を1と2一気にやってしまったので感想をば。4は置いといて。
まずは1から。うん、おもしろかったと言っていいと思う。
全体的に言えば、御剣怜侍主人公に合わせて派手、もとい華麗。
キャラの濃さに主人公自身が押されながら、心の内外問わずにツッコミを入れていく荒々しく速いテンポが魅力の裁判シリーズと違って、少々おとなしめの印象かなぁと。
ある意味テンポ速いんですけどね。だって4日連続で事件起きてるし。
ストーリー的にもシステム的にも、良い悪い面両方で「舞台は現場」が発揮されちゃった印象。
探偵パートは「とりあえず」で法廷で言葉をぶつけ合うことに特化した裁判シリーズと比較してしまうのは酷なのかな。走り回れるのは楽しいですけど実際。
【システム】
「捜査開始」が表示されてから「捜査終了」が出るまで同じ場所での探索をすることになる方式が、わかりやすい反面ヌルさを増長してる気がする。
矢印が出てエリア移動が可能になる場合も表示があればそこから出られなくなるので、正直1本道で単調と考えられてしまっても仕方がないかと。
やっぱり探索アドベンチャーは「どこで何をすればいいかわからない」のも1つの魅力かと。
その反面、追加された「ロジック」と「推理」がいたずらに詰まりを増やしてたのが印象悪い。
前者は言ってみれば使いきりの証拠品。
2つ的確なものを合わせることで情報または証拠品が入手可能。
……ではあるのだけど、そこで御剣が行った推理の情報を前提に対決パートでの指摘を行わなければならない場合があり、頭から抜けていると詰まることが。
いたずらに対決パートの難度を上げているフシがあり、正式な証拠品の入手のためだけに存在させておけばよかったんじゃないかなぁと。
御剣が全部やってくれるせいで、トリックを想像する余地がないのもマイナス。
対決パートでの失敗時と同じ量のゲージを間違えると消費するのもちょっと。2個あるのに持ち越しの場合もあるしなぁ…。他のことやって詰まるまでロジック使わないのが対策。
後者は裁判でもお馴染みのカーソル指定による調査に「つきつける」を加えた物。
場所と証拠品の両方を一致させなければいけないため、無闇に難易度を上げている。
まあ、大抵の場合は通常の調べるコマンド使用時に「違和感が」みたいなことを言う場所を指摘すればいいので足がかりはあるんですが、それでも失敗時ゲージ消費はいかがなものか。
唯一親切な点として、使用する証拠品を持ってないとコマンドが出ない点がある。
正直捜査パートはヌル・詰まりがち・めんどくさいが同居した微妙な出来かなぁと。
その反面、対決パートはシチュエーションの勝利と言わざるをえない秀逸な出来。
犯人として疑われて拘束された状態から抜け出すために主張する場合に使用する、真犯人とそれをかばう人が交互に証言するなど、現場が舞台ならではのおもしろい状況が。
正式な手続きを踏んで召喚しなければならない裁判シリーズの法廷パートと違い、とにかく「融通がきく」という一点を最大限利用してた。
5話最後みたいに仲間全員からの応援や、敵がしつこく食い下がった場合に「待った!」での横槍が入って助っ人が来る集団戦じみた状況になるのも良い。
ただ、↑の「ロジックで出た情報を踏まえての指摘」があるのはマイナス。
そこで詰まりが出がちな反面、ゲージの消費はほぼ一定なのもマイナス。
重要な場面ではもっと2・3回の間違いでやられるのがあってもいいと思うんだけどね。
写真指摘等があまりないからか。
【ストーリー】
大泥棒ヤタガラスと密輸組織の存在を軸に数日間で連続して起きた大小さまざまな事件を追っていく……という点はさすが「現場が舞台」にふさわしいと思うんだけど。
各話の事件の独立性が高すぎて、密輸組織の存在が動機づけにしかなってないのはどうかと。
3話は、犯人は組織自体に関係なかったが、話自体がイマイチ。
せっかくのヒロインとライバルがたったの2話しか活躍しないのもアレ。
ミクモちゃんは過去編ありますけど、あれは活躍とは言わない。
正直、最終話のトリックや黒幕の大掛かりぶりから考えるとそれまでの4話は最終話のお膳立てとしか言いようがない気がしてならない。実際3〜5話だけで十分繋がるし。
話の3分の1くらいは最終話だし。
実際最終話は前述した、しつこく食い下がる黒幕に次々と助っ人が「待った!」で横槍を入れる状況(通称待った合戦)も相まって非常に熱い。
集団戦は傍聴人が裁判中に勝手な行動出来ない裁判シリーズではできないことだから楽しい。
まあ、矢張とかは裁判でも割り込んできてたけど。
ただ、その土壇場の状況で矢張&オバチャンを持ってきてしまったのはよくない。しかも決め手。
大物のはずのラスボスにあんなので致命打が…。まあ、組織などという推理物としては少々反則の敵にトドメを刺すにはコミカルなくらいが逆転シリーズらしいかもしんない。
結局のところ、どちらから見ても世間的にも言われてる「所詮スピンオフ」は抜け出せないかと。
肝心要とも言える2人の活躍する話数が少なく、それでいてストーリー的に重要な立ち位置にいて、御剣があくまで探偵役であるというチグハグさが一番いけないのかも。
旧キャラが多いのはいいけど、あまりにも濃すぎるオバチャン&矢張が目立ったのが一番いけないかもしれない。全部持ってかれたとしか。
そう、なんていうか「チグハグ」が目立つ作品だったと思う。
ゲージの消費場面は回復に対して多いのに1度に減る量は少ない。
各事件の「原因」は繋がってるのに、トリックもキーワードも独立性が高い。
重要キャラの出番が少ないが、旧キャラでファンサービス。
しかし、強烈に目立つ2人がラスボスにトドメを刺す決め手まで持っていく。
面白いけど各々の要素にすこしずつ欠陥が目立つ、ってのが検事1の最終評価か。
ラベル:ゲーム